2008年11月10日月曜日

1X07A086 作井 允 A+++







土のようなものでできた、穴のあいた建物。“パラダイス”という言葉は“オアシス”と結びついたイメージであるとすると、中東アジアの砂漠の世界観かもしれない。この作品のもつ幻想的な雰囲気はアラビア的要素かもしれない。空間的な広がりが、見る人にもパラダイスを感じさせている。とても良い作品である。(箕原)

1X07A082 SHINYA SAOTOME A++







白の外観と黒の内部。この作品は、天国と地獄というアジア的な楽園思想がベースにあるように感ずる。芥川龍之介の“くもの糸”のシーンにもつながる作品である。想像力と構成力がうまく結合した作品である。(日置)

1X07A114 竹花洋子 A++








この作品は、ビルによって切り取られたわずかな空が、作者にとって“楽園”であるという。どこか、つつましいパラダイスであり、さびしい部分を感じてしまう。作品としての完成度と、鑑賞者をとりこんだ構成は、とても理知的である。(日置)

1X07A139 MAHIRU NISHIMURA A++









海にかかる洞窟。その中をカヌーで通る空間体験が、おそらく作者の記憶にあり、その記憶から思い起こしたのであろう。実体験をもとに渋めの色づかいによる、色とりどりな展開をしてきた模型には迫力がある。(日置)

1G06D051 各務 太郎 A++







パソコンの中の仮想空間が、壁の向うで実体の空間として立ち上がってくる。各個人の頭の中がプライベートなパラダイスと捉え、表現してきているところが一種独特で面白い。(箕原)

1X07A004 ADACHI YUMI A++







色彩豊かに広がる平原に建つ小さな白い空間。仄かに色映りする壁沿いに階段を上ると、踊り場から横長の開口によって切り取られた屋外が見え、さらに上った奥の小部屋には半透明の幕が下がっており、やわらかく色彩を取り込み美しい。(箕原)

1X07A161 SHOTA HORII A++







恐るべきスケールと暴力性を合わせ持った作品。金属、ゴム、キャンバス地といった素材感の対比も特徴的。何故これがパラダイスなのか、少々疑問にも思う。不思議な雰囲気がある。不安を誘うような作品。(池村)

1G06D802 Yuri Igarashi A++







Kitchenでテレビを見ながら料理する私が主題であろう。背後のテーブルに食事をした人がおり、ガス台には鍋が煮立っている。それだけのprivate paradiseが舞台の書割りとして断ち切られて作成されている。世界から切り取られたことを、外壁から突出した出窓が主張しているかのようだ。(入江)

1X07A164 Masaaki Matsuoka A+







2m立方cubeのUnit.。DeskとComputerだろうか。人一人が入れるSpace。この極小の空間をモデュールとするGridの構成体が作品として提出されたものである。極小のScaleがGrid構成に偏在する。偏在した場で多様な行為が営まれているのかもしれない。Spaceの偏差に託された、private paradiseである。(入江)

1X07A010 YUKA IGUCHI A++







様々なピンク色を重ねたコンポジションの上に壷のような形が載っている。壷の上には登れるようになっており、人が居る。花柄の紙が張られているのは花畑なのか?ひょっとしたら、壷ではなく火山なのでは。(池村)

1G06D804 小林 恵理 A++







白くフワフワとした世界。ひたすら柔らかく滑らか。リブを連ねて作ったドームの中心に、白くフワフワの球リブの一本が、かすかにピンク色に染まっているのは、どんな意図に基づくのだろうか?(池村)