2008年12月3日水曜日

第八課題 「TOKYO」guide book 装丁デザイン

2009年4月になぜか「TOKYO」という外国人向けの観光ガイドブックが早稲田出版から出ることになりました。それもなぜか、アメリカで英語版 先行発売という企画です。
この本は、東京の芸術(絵画、彫刻、演劇、建築、芸能)にスポットを当てた外国人観光客向けに英語で書かれたガイドブックです。
この本の装丁を裏および表を考えて表現してください。

企画内容

タイトル「TOKYO」guide book
オールカラー 200ページ
出版部数 初版10000部
サイズ 275*275
言語  英語(アメリカ版)
出版・編集 早稲田出版
希望価格  20ドル

装丁 建築学科2年生担当

デザイン条件
● 「東京」を、日本をまったく知らない外国人がイメージできる表紙のデザインを考えること。

●手書きの部分は必ず入れること。

● 裏表紙に必ず学生番号、氏名は明記のこと。



出題提出;2008/12/3 (13:30時間厳守) 講評 2007/12/10



出題:日置

第八課題

1X07A086 作井 允 A+++







突出した窓と鏡面の組み合わせによって、複雑な視界が広がる。一見、どこが見えるのか分かりやすそうに見えて、実は意外なところが見えている。この複雑な視界と視線のかもし出す空間のアウラが、現代の壁画なのであろう。(池村)

1G06D701 IIZUKA TEPPEI A+++







現代建築においては、素材の配置とそれによる光の陰影が、以前の美術的表現にとってかわった、と表面的には言える。この作品もまた、マチエールを与えられた白い壁面と、それらの間に発生する繊細な陰影が、現代の壁となっている。優等生的作品。(池村)

1X07A159 堀 真仁 A+++







ぺらっとした表面ではなく、ざらざらとした奥行と物質感のある表面、そのようなものを現代に生きる我々も実は求めている。面としての実体のある壁。それは不思議なことに、奥行のない単なる面では感じとることができない。ところがこの作品はぺらっとした透明な壁面の向こうに、ひび割れた赤い壁面が存在することで、実体のある壁面性を感じさせることに成功している。(池村)

1X07A117 竹花 洋子 A++







実際に見えているのは、紙の小口という表面でありながら、積み重なられた紙のその幅も確実に感じられる。しかも目に見えているのは、日頃ほとんど意識されない紙の切り口というところが面白い。積層した紙をはさんでボルトで留めつけているが、上下のアクリル板に映り込むセットバックした紙の積層面が上下の実行の中に消えていく様が美しい。(池村)

1X07A042 YUMA ONO A++







層を重ねた空間の様々な位置に様々な角度で開口が空いていて、奥行方向の鏡面効果によって、いろいろに見える。行き交う人々によって楽しく変化し、とても面白い作品である。(箕原)



1X07A112 田口 友子 A++







「たてとよこの反転。」 規定の空間に曲面が辷り込む。ヨコからタテへの変換の中で、みずみずしいいちごが曲面に沿って振りおろされるように辷り落ちる。滴る水滴、澪れおちる飛沫。人はこの瞬間に立ち会うのである。(入江)

1X07A004 足立 裕未 A++







「たてとよこの反転。」 規定の空間に曲面が辷り込む。ヨコからタテへの変換の中で、みずみずしいいちごが曲面に沿って振りおろされるように辷り落ちる。滴る水滴、澪れおちる飛沫。人はこの瞬間に立ち会うのである。(入江)

1X07A105 瀬川莉奈 A++







黒幼く塗り潰されたBuilding Element。対比的な黄色、オレンジのグラフィックが、浮遊し、繰り返し遠のいていく。空間が捨象し図柄が無限に続いていく。明るいダイナミズムが表象されてくるこの系列での佳品。(入江)

1X07A138 Nishida Y A++







薄いバルサの上にうっすら青を塗ったパネルが、床、壁に貼ってある。奥にいくにしたがい青が濃くなっている。空間の広がりが青のグラデーションによって増大している。天井面の写真の部分は、不要な感じがする。バルサの木目の配置など、気を遣えばさらによくなったと思う。(日置)

1X07A015 Chiaki Ishi A++







真っ白な空間から、絵柄がほんのり浮き出る様は魅力的である。外からの強い光が当ってない時も何かが描いてあるように見えて興味をそそるが、見慣れた人には微かに見えてくるものである。(箕原)

1G06D174 Muraoka Takumi A+







葉の形に無数に切りとられた不透明な壁が二枚ある。いちょうが散る季節に合わせてデザインしたのであろうか?この壁の裏に実際に葉が散っていたとしたらこの壁はとても幻想的なものになるだろう。グラフィックと空間が、微妙に連なっているところが良い。(日置)

1X07A162 堀越 理沙 A++







妖艶な作品である。空間に人間の後姿を繋いできており、独特の雰囲気を醸し出す。もう少し空間を意識したデフォスメなどしたら面白いかもしれない。(箕原)

1X07A161 Shota Horii A++







ステンンレス板と塩ビ透明板、アルミBarの立体的な組み合わせ。現代の壁画を素材に重心を置いた構成的空間として捉えたところは良い。しかし、作者の作品系列の中で、物質性に対する想念が弱まってきている点を指摘して、励ましの評としたい。
(入江)

第七課題 「現代の壁画」

建築の内部空間から、壁画が消えて久しい。
そもそも、絵画の起こりは原始時代、人間が露出した岩の表面か、
洞窟の内部に描いたものである。
それ以来、長い年月に亘って、絵画、彫刻、建築は、一体となって、
人間の空間を形作ってきた。
近代建築が、建築表現の純粋性を追い求めた結果、絵画は建築空間から
表面的には消えたように見えるが、その美学的な根本理念においては、
近代建築もまた近代絵画と深く関連している。
21世紀の今日において、自由な発想をもって、
平面と空間との新たな関係を構築してほしい。
平面的表現によって、空間のあり方を揺り動かすことを期待する。
平面的表現の意味は、広く考えること。

配布資料:なし
提出物:模型、275×275mmを底面とし、高さ120mmとする、下図のような立体模型に具体的な空間を表現する。
模型の縮尺は1/10とする。 必要に応じて、1/10の縮尺の人物像などを置くこと。
出題:2008年11月19日
   
提出:2008年11月26日、午後1時30分
講評:2008年12月03日(予定)
出題者:池村 潤床と天井および2面の壁からなる空間を作る。
床、天井、壁のいずれにも表現を施して構わないが、
あくまで「平面的表現」にとどめること。
壁に開口を設けることは認める。